Dマイナス1(その1) [去るウサギ]
(承前)
2008年6月7日(土)
この日は娘の学校で朝から授業参観が開催されていた。参観に行かなかったのは、入学以来、今回が初めてのことだ。
一方、この朝のウサギは、薬を上手に飲んでくれた。ほとんどこぼれない。強制給餌にも良く反応しているようだが、症状に変化は見られなかった。これからゆっくりと上向いていくのだろうか…?
午前9時40分頃、再び病院へ。家内は自分の風邪(?)のため人間用の病院に行っているので、私ひとりで連れて行く。キャリーに入れるのも簡単にできてしまい、今さらながらウサの元気の無さを痛感。
病院では引き続き点滴と、胃のマッサージを受ける。胃には充分に食料が届いており、強制給餌はうまくいっているのだが、それが腸には行っていない模様。盲腸が空っぽの状態らしく、盲腸便が出なければ、普通の硬い便が出るハズもない。
※要するに、改善していないということだ。
家でもマッサージするように指示が追加され、そして最後に獣医師がこう言った。
「明日は休みだけど、容態が急変したら電話してください」
※この言葉の裏に秘められた意味に、そのときは思い至らなかった。
家に帰り、同じ処置を続ける。一連の作業に慣れてしまったことに、複雑な思いがよぎる。
お昼に帰って来た娘は、チケットがもったいないので家内と野球場へ。
残った私はウサの胃のマッサージをしながら、球の体積の計算を考える。触った感じの胃の直径を2分の1にして、3乗してπをかけて…。アレ、球の体積の公式って、どうだっけ?
で、これまでシリンジで与えたペレットの体積は、シリンジの容量×回数だから…。
必死で暗算した結果、両者の解は、ほぼ一致してしまった。
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Dマイナス2(その2) [去るウサギ]
(承前)
結局、3人と1匹で病院に向かったのは、16時30頃になってしまった。受け付けをして、しばらく待つと呼ばれたので診察室に入る。先生に症状を説明し、レントゲンを撮ってもらうことになったので、人間は待合室で待機。
少し経つと、診察室のビューワーにウサギのレントゲン写真が掲示されるのが見えた。ほどなく呼ばれ、先生から説明を受ける。
胃のあたりに毛玉らしい影があるが、それほどひどくはなさそうで、手術という感じではないらしい。整腸剤とビタミンの入った点滴を受け、家でのケアや強制給餌の方法についての説明を聞き、飲み薬とラキサトーン、それにシリンジを受け取る。
点滴が効いたら少しずつ良くなるのかな?
会計待ちのとき、娘は見たいアニメが始まるからと、一人で先に帰って行った。私たちは後からゆっくり帰ることに。
※この時点では、私たち家族は3人とも、「お医者さんが治してくれる」と軽く考えていた。
家に帰り、早速、指示されたことをやってみる。ペレットに水を加えてすりつぶし、シリンジに入れる。この強制給餌は難しくはないが、あまり気持ちの良いものではない。意志なのか反射なのか、懸命に口を動かす姿が可哀想にも思える。飲み薬の方は、けっこう難しい。半分くらいこぼれてしまっただろうか。
この日、シッコ1回(たぶん点滴の水分だろう)、ウンチ少々。
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Dマイナス2(その1) [去るウサギ]
(承前)
2008年6月6日(金)
朝起きて様子を確認してみると、わずかにフンが出ている。5個くらいで、少し粘り気がある。普通の便と盲腸便の中間みたいな感じだ。昨夜の小松菜の分だろうか?
昨夜、ネットで調べた近所の動物病院の開業時間を待って電話。ウサギを看てくれるかどうか、予約が必要かどうかなどを確認する。
だが、ひとりでウサを連れ出す度胸がない。ハーネスやリードを付けたり、キャリーに入れるときは、これまで家族総出で行ってきた。やってできないことはないのだろうが、やはり不安感が先に立つ。
この日はたまたま以前からナイターを観に行くことになっていたので、家内は仕事を早退して来る予定だ。というわけで、娘と家内の帰宅を待つことに。
※今にして思えば、迷わず朝イチで病院に行くべきであった。そうすれば、違った展開もあったかもしれない。
そう、このときはまだ、事態をあまり深刻にはとらえていなかったのだ。
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Dマイナス3(その2) [去るウサギ]
(承前)
とにかく、なにか食べさせなくてはならない。消化が良さそうで、ウサの好物と言えば…。
そこで、真っ暗な夜のベランダに出て、ウサが大好きな小松菜の葉を摘んでみた。それを一枚ずつ与えると、けっこうな勢いで食べ始める。とりあえず摘んできた10枚を、すべて食べた。
そこで、またベランダに出て摘んでくる。今度は、8枚、食べた。
とにかく。できる限り摘んで来るのだが、ちょうど小松菜は世代交代をしたばかりの時期で、まだ若いため葉が数は少ない。ほとんど丸坊主になってしまった。
しかし、もう、あまり食べない。
深夜、ネットで症状や対策をなどを調べる。また、近くの動物病院を検索。ウサの負担を考えると、遠くの有名な専門病院よりも、やはり近くでウサギもみてくれるところか…。
目星を付けて、翌日の朝一番で問い合わせることにしよう。
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Dマイナス3(その1) [去るウサギ]
2008年6月5日(木)
夕方、娘が宿題やドリルなどに取り組む勉強の時間、いつもならリラックスして寝ている時間帯なのに、わらっこ倶楽部のマットを斜めにしてスフィンクスのように座り、こちらを見ている。その姿にどこか少し違和感を感じたのだが、そのときはそのまま見過ごしてしまった。
※この段階で異変に気づくべきだった。まだ動物病院は開いている時間だったのだし…。
その夜、ケージの掃除をしようとして、第2の違和感がやってきた。
「あれ、昨日、やったっけ?」
当時、ケージの床の掃除は1日おきにやっていた。この日は掃除をする日のハズだったが、汚れが少ない。まるで前日に掃除をしたかのよう、というよりも、つい数時間前に掃除をしたかのようにスノコの下が綺麗なのである。つまり、ほとんどフンが出ていないのだ。
不審に思ってエサ入れをチェックしてみると、ペレットが減っていない。これは、ちょっとマズいんじゃないのか…?
そういえば、このところペレットを食べる量が徐々に減っていたんじゃなかったのか? 夜のフリータイムに大好きだったオヤツを残すこともあったし…。同じ味に飽きたのかと思っていたが、そうではなかったのだ。
※もっと前から兆候があったのだ。それに早く気づいていれば…。
(つづく)
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一周忌 [去るウサギ]
今日のニュースは秋葉原の事件から1年というものが目についた。人の命を軽く見るつもりはないのだが、やはり我が家では「前ウサの死から、もう1年が経ったのだな」という感慨の方が先に立つ。
1年前の6月8日、お弔いから帰宅した後で、繰り返されるニュースの映像を遠い国の出来事のように眺めていた記憶がある。良く知っている街なのに、どこか異次元の世界のように思えてしかたがなかった。
たぶん、また次の6月8日がやってくると、ニュースでは「あれから○○年」というような報道がなされるにちがいない。これから我が家ではずっと、あの事件と初代ウサの死が、セットになって記憶され続けることになるだろう。
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最期の日々(予告編) [去るウサギ]
もうすぐ初代ミントの一周忌だ。今ウサ(二代目)がミント・ジュニアなので、先代は最近「せいじ」と呼ばれることもある。確かに「残念な兄」ではあるが…。
その「残念な」出来事にについて、そろそろ書いておかなければならないだろう。少し前から、当時のメモ書きや記憶などをたよりに文章として整理し、まとめる作業に取り組んでいる。
書き進めていると、今だからわかる反省点も多い。でも、当時はわからなかったのだ。そして、書いていると、今でもときどき、涙が出そうになる。
では、なぜ書く? ケジメ? 気持ちの整理? 物書きとしての宿業? それは自分でも良くわからない。
初代ミントが生きたあかしが残り、その教訓がどこかで役に立てば幸いである。
近日、五月雨式に公開予定。
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少しだけ落ち着いてきました [去るウサギ]
我が家のウサが天に昇ってしまってから2週間が経過しました。まだ、ときどき涙が出そうになることもありますが、だいぶ落ち着いた気持ちを持てるようになってきました。
もっと早く気付いてあげていたら…。
もっと早く病院に連れて行っていたら…。
日ごろからもっと気をつけていたら…。
悔やめばキリがありません。たった14ヶ月でしたが、ウサは我が家にとって大きな存在になっていました。
当初、このブログを閉鎖することも考えましたが、我が家のウサが生きた「あかし」として、当分は残しておきたいと思います。そして、もうちょっと落ち着いたら、詳しい経過も報告したいと思っています。我が家の経験が、ひょっとしたら他の誰かのために役立つかもしれませんから。
それから、またいつか、ウサギと一緒に新たな暮らしを始めたいと思っています。