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2年越しの想い [来るウサギ]

 実は、ウサギを飼うという話は2年以上も前からあった。インコが逃亡してから大分経っていたし、娘にとって動物とのふれあいは大切だろうとか、何かとストレスの多い現代っ子には「ぬくもり」と「癒し」が必要かもしれないとか、そんなことを考えていた。
 我が家には金魚とドジョウがいるのだが、相手は水の中なので、「ふれあい」という面では物足りない。家内も娘も、第1希望がネコというのはハッキリしている。しかし、集合住宅に住む身としては、採択は不可能だ。家内の第2希望は、インコである。お道具は一式揃っているし、けっこう愛敬者だから家族も楽しめる。
 そして、娘の希望はウサギである。彼女は卯年生まれなので、幼少の頃からウサギのグッズに囲まれて育ってきた。動物園のふれあいコーナーにも常連のように通ってウサギとふれあっていた。だが、横浜市の動物園にあるふれあいコーナーから、ウサギが姿を消してしまった。ときどき噛まれることがあるので、クレームが増えたのだろうか…?
 調べてみると、ウサギを飼うこと自体は、それほど難しくなさそうだ。予算的にもリーズナブルな感じがする。何度かホームセンターに通って、私は必要なものをリストアップし、娘は店員さんに頼んで気に入った子を抱かせてもらったりした。
 そんな頃、卒業した保育園に居たウサギを譲り受ける話が浮上した。そのウサギとは馴染みがあるし、性格も温厚だ。老齢なのが少し気になるが、まあ、悪くない選択肢だろう。だが、娘は難色を示した。

「女の子がいいの!」

 結局、何も決まらないまま時だけが過ぎて行く。ホームセンターのウサギは買い手が決まらないらしく、どんどん体が大きくなっていき、値札の表示は割り引きになっていく。ハッキリ言って、もう、あまり可愛らしくはない。

 ある日、保育園のウサギが「いなくなった」という知らせが届いた。それは婉曲な表現だが、「死んだ」ということなのだろう。飼い始めてすぐに昇天という厳しい事態が避けられたのは、不幸中の幸いかもしれない。生き物の死は子供にとって教育的な意味があるとは思うが、あまりにも早すぎるのは問題だろう。

 そして、月日は流れた。

 今年の春先頃から、何となく家族の中で「気分」が醸成されてきた。機は熟したということなのだろうか。

「新学期が始まったら飼い始めよう」

 いつの間にか、そんなコンセンサスが出来上がっていた。


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